IPv4とIPv6の違いとは?|ゲーム回線でよく聞くIPoE・PPPoEも初心者向けに解説
IPv4とIPv6の違いとは?まずは結論から
IPv4とIPv6は、インターネット上で機器を識別するための「IPアドレス」の仕組みの違いです。 家でたとえるなら、インターネット上の住所のようなものです。
IPv4は昔から使われている方式で、IPv6はより多くのIPアドレスを扱える新しい方式です。 ただし、ゲーム回線で大事なのは「IPv6だから必ず速い」「IPv4だから必ず遅い」と単純に考えないことです。
ゲーム回線でよく話題になるのは、IPv4とIPv6そのものよりも、IPoE・PPPoE・IPv4 over IPv6といった接続方式です。 IPv6にしただけで必ずPingが下がるわけではなく、回線の混雑、ルーター、NATタイプ、ゲーム側の通信方式もあわせて見る必要があります。
- IPv4とIPv6の基本的な違い
- ゲーム回線でIPv6が話題になる理由
- IPoEとPPPoEの違い
- IPv4 over IPv6とは何か
- Ping・NATタイプ・ポート開放との関係
- 初心者が確認すべきポイント
IPv4とは?
IPv4は、昔から広く使われているIPアドレスの方式です。 「192.168.0.1」のように、数字をピリオドで区切った形で見かけることがあります。
家庭内のルーター設定画面や、固定IPアドレス、ポート開放、NATタイプなどの話でよく出てくるのは、このIPv4の考え方です。 オンラインゲームでも、いまだにIPv4側の通信やNATの状態が関係する場面があります。
ただし、IPv4で使えるアドレス数には限りがあります。 そのため、家庭内ではルーターが複数の機器をまとめてインターネットへ接続するために、NATという仕組みを使うことが一般的です。
IPv6とは?
IPv6は、IPv4よりも多くのIPアドレスを扱える新しい方式です。 IPv4では32ビットのアドレスが使われますが、IPv6では128ビットのアドレスが使われます。
JPNICの技術解説でも、IPv4は32ビットをピリオドで区切って表記し、IPv6は128ビットをコロンで区切って表記すると説明されています。
IPv6はアドレス数の余裕が大きいため、インターネットの仕組みとして重要です。 ただし、オンラインゲームの体感では「IPv6対応=必ずラグが減る」とまでは言えません。 実際には、接続方式や混雑状況、ゲーム側の通信、ルーター設定も関係します。
IPv4とIPv6の違いを表で整理
| 項目 | IPv4 | IPv6 |
|---|---|---|
| アドレスの長さ | 32ビット | 128ビット |
| 表記例 | 192.168.0.1 のような形式 | 2001:db8:: のような形式 |
| 特徴 | 昔から広く使われている | 使えるアドレス数が非常に多い |
| 家庭内でよく関係する話 | NAT、ポート開放、固定IP、二重NAT | IPoE、IPv4 over IPv6、IPv6対応ルーター |
| ゲーム用途での注意点 | NATタイプやポート開放と関係しやすい | 対応状況や接続方式によって効果が変わる |
ゲーム回線でIPv6が話題になる理由
ゲーム回線でIPv6が話題になる理由は、IPv6そのものというより、IPoE接続やIPv4 over IPv6によって、混雑の影響を受けにくくなる場合があるからです。
特に、夜や休日だけ回線が重くなる場合、回線の混雑が影響していることがあります。 このとき、PPPoE接続からIPoE接続に変えることで、環境によっては通信が安定する場合があります。
ただし、IPv6にしただけでゲームのPingが必ず下がるわけではありません。 Pingは、自宅からゲームサーバーまでの距離、回線経路、プロバイダー、ルーター、ゲーム側のサーバー状況などにも影響されます。
PPPoEとは?
PPPoEは、従来から使われてきたインターネット接続方式のひとつです。 プロバイダーのIDやパスワードをルーターに設定して接続する形で見かけることがあります。
PPPoE接続では、利用者が集中する時間帯に混雑しやすい場合があります。 とくに夜の時間帯に速度が落ちる、動画が止まりやすい、ゲームでラグを感じるといった場合は、接続方式も確認したいポイントです。
IPoEとは?
IPoEは、IPv6時代の接続方式としてよく使われる言葉です。 PPPoEとは接続の仕組みが違い、環境によっては混雑の影響を受けにくく、通信が安定しやすい場合があります。
NTT東日本の解説でも、IPoE接続とPPPoE接続では使用する設備が異なり、PPPoEでは利用者が集中する時間帯に通信遅延が発生しやすい場合があると説明されています。
参考:NTT東日本:IPoEとは?PPPoEやIPv6、IPv4との違いを比較
夜だけ回線が重い、速度が安定しない、時間帯によってゲームがラグい。 このような場合は、IPv4・IPv6だけでなく、PPPoE接続なのかIPoE接続なのかも確認する価値があります。
IPv4 over IPv6とは?
IPv4 over IPv6は、ざっくり言うと、IPv6の接続環境を使いながらIPv4の通信も扱うための仕組みです。
現在のインターネットには、IPv6対応のサービスだけでなく、IPv4で動いているサービスもあります。 そのため、IPv6だけではなく、IPv4サイトやIPv4通信にも対応するために、IPv4 over IPv6という仕組みが使われます。
NTT Comの解説でも、IPv4 over IPv6にはMAP-E、DS-Lite、4rd/SAMなどの方式があり、方式によってポート開放の可否が変わると説明されています。
参考:NTTコミュニケーションズ:IPv4 over IPv6とは?
IPv6にするとゲームは速くなる?
結論として、IPv6にしただけでゲームが必ず速くなるとは言えません。 ただし、IPoEやIPv4 over IPv6によって混雑の影響を受けにくくなり、結果として通信が安定する場合はあります。
ここで分けて考えたいのは、次の2つです。
- IPv6というIPアドレスの仕組み
- IPoEやIPv4 over IPv6という接続方式
ゲームで体感に差が出やすいのは、後者の接続方式や混雑状況です。 そのため、「IPv6にしたのにラグい」と感じたときは、IPv6そのものではなく、ルーター設定、NATタイプ、Wi-Fi環境、ゲームサーバー側も含めて確認する必要があります。
IPv6は魔法のラグ対策ではありません。 ただし、夜だけ重い、PPPoEで混雑している、IPv4 over IPv6に対応できる環境がある場合は、見直す価値があります。
ゲームで気をつけたいNATタイプとの関係
オンラインゲームでは、IPv4・IPv6だけでなく、NATタイプも重要です。 NATタイプが厳しい状態だと、マッチング、ボイスチャット、フレンドとの接続などに影響することがあります。
特に、IPv4 over IPv6環境では、方式によってポート開放の扱いが変わることがあります。 MAP-E、DS-Lite、4rd/SAMなどの方式によって、使えるポートや設定できる範囲が変わる場合があるためです。
そのため、ゲームで接続トラブルが出る場合は、単に「IPv6だから大丈夫」と考えるのではなく、以下を確認することが大切です。
- ゲーム機やPCのNATタイプ
- ルーターのUPnP設定
- 二重NATになっていないか
- IPv4 over IPv6の方式
- ポート開放が必要なゲームかどうか
- プロバイダー側の仕様
ポート開放が必要なゲームでは注意
一部のゲームやサービスでは、ポート開放が話題になることがあります。 ただし、IPv4 over IPv6環境では、方式によってポート開放のしやすさが変わります。
たとえば、DS-Lite方式ではIPv4のポート開放が難しい場合があります。 一方で、MAP-Eや4rd/SAMでは制限付きで対応できる場合があります。 ここはプロバイダーやルーターの仕様に左右されるため、利用中の回線サービスの公式情報を確認するのが確実です。
「IPv6にしたらポート開放できる」「IPv6ならNAT問題が全部なくなる」と考えるのは危険です。 ゲームで接続トラブルがある場合は、IPv6ではなく、IPv4 over IPv6の方式やルーター設定が関係していることがあります。
有線LANで改善するかも確認したい
IPv4・IPv6・IPoE・PPPoEを確認する前に、まずWi-Fiが原因ではないかを切り分けることも大切です。 Wi-Fiの電波干渉や距離の問題があると、接続方式を変えてもゲーム中の不安定さが残ることがあります。
ゲーム機やPCを固定の場所で使うなら、有線LANで接続して改善するか確認すると、原因を切り分けやすくなります。 Nintendo Switchでも、有線LANでインターネットに接続する方法が公式に案内されています。
初心者が確認する順番
IPv4やIPv6の話は、用語だけ見ると難しく感じます。 ただ、ゲーム回線の見直しとして考えるなら、確認する順番はシンプルです。
- まず有線LANで安定するか確認する
- Wi-Fi利用なら5GHz・2.4GHz・電波干渉を確認する
- 夜だけ重いなら接続方式を確認する
- PPPoE接続なのかIPoE接続なのか確認する
- IPv4 over IPv6に対応しているか確認する
- NATタイプやUPnPを確認する
- ポート開放が必要なゲームか確認する
まずは「Wi-Fiの問題なのか」「回線方式の問題なのか」「NATの問題なのか」を分けて考えましょう。 原因を分けずに設定を変えると、何が効いたのか分からなくなります。
よくある勘違い
IPv6なら必ずゲームが快適になる?
必ず快適になるわけではありません。 IPv6やIPoEによって混雑の影響を受けにくくなる場合はありますが、Ping、ジッター、パケットロス、Wi-Fi環境、ゲームサーバー側の状況も関係します。
IPv4は古いから使えない?
使えないわけではありません。 現在でもIPv4は広く使われています。 ただし、アドレス数の限界や混雑の問題があるため、IPv6やIPv4 over IPv6が話題になります。
IPoEにすればPingは必ず下がる?
必ず下がるとは言えません。 IPoEで混雑の影響が減ることはありますが、ゲームサーバーまでの経路や距離、プロバイダー、ルーター性能にも左右されます。
IPv6ならポート開放は気にしなくていい?
そうとは限りません。 とくにIPv4 over IPv6環境では、方式によってIPv4側のポート開放に制限が出る場合があります。 接続トラブルがある場合は、契約している回線サービスとルーターの仕様を確認しましょう。
まとめ:IPv6は便利だが、ゲーム回線では接続方式まで見る
IPv4とIPv6は、インターネットで使うIPアドレスの仕組みの違いです。 IPv4は昔から使われている方式で、IPv6はより多くのアドレスを扱える新しい方式です。
ゲーム回線で大切なのは、IPv6そのものだけで判断しないことです。 IPoE、PPPoE、IPv4 over IPv6、NATタイプ、UPnP、ポート開放、Wi-Fi環境まで含めて見ることで、通信トラブルの原因を切り分けやすくなります。
夜だけ重い、速度は出ているのにラグい、NATタイプが厳しい、ポート開放がうまくいかない。 こうした場合は、IPv4とIPv6の違いだけでなく、接続方式とルーター設定まで確認することが大切です。
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